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3. 滝の成因分類
 房総の滝だけでなく、日本の滝全部に使える分類表が作れないかと考えて、作ってみました。
 念のためですが、この表で「滝」というのは、「遷急点」(遷急区間)と言った方がより正しいと思います。
 遷急点が単独の滝のことが多いので(あるいは小さな上滝下滝が無視されるので)、滝といっています。瀑布帯になっている場合は、当然瀑布帯の成因です。 
滝の地形ひとめぐりの章で言ったように、滝の成因とは、滝の発生の理由です。
発生後の変遷や、現在の変化などには直接には関係ありません。
だから、滝の景観に、滝の成因が、直接反映するのは、瀑布帯の比高ぐらいでしょう。
これの、個々の解説は、長くなるので、そのうち作りますね・・(^_^;)

成因について、いちゃもんを書いたことがあるので、それはこちら
 <滝の成因分類表>
1。流域の回春による遷急点の形成に対応
 a。遷急点の位置が特に岩質によらない場合
  1−1。本流型の滝
  1−2。懸谷型の滝
  1−3。支流型の滝
  1−4。源流型の滝
 b。 遷急点の位置が特に岩質による場合
  1−5。平野型の滝
  1−6。埋没谷型の滝
  1−7。硬岩型の滝
    1−7−1。溶岩型
    1−7−2。礫岩型
    1−7−3。岩脈型
     ・(まだ他にも出てきそうです)
  1−8。軟岩・弱層型の滝
    1−8−1。断層面型
    1−8−2。節理型
    1−8−3。弱層型
     
・(まだ他にも出てきそうです)
2。流路途中での隆起に対応、
  あるいは、先行谷の滝(房総に無いのでよくわからん)

  2−1。活断層、活褶曲等による滝(中央構造線沿いにあったかな・・)
  2−2。断層崖型の滝(ほんとにあるのか知りません)
3。流路変更による局地的遷急点形成に対応
 a。 自然の流路変更による場合
  3−1。河川争奪による滝
  3−2。谷側積載による滝
  3−3。 曲流短絡による滝
   ・(まだ他にも出てきそうです)
 b。人工の流路変更による場合
  3−4。人工の 曲流短絡による滝(川廻しの滝)
  3−5。人工の流路変更による滝(どこまでを滝の仲間に入れるかは決めがたい)
4。堰止めによる河道変更に対応
  4−1。崩壊・地すべり・土石流等の堰止めの滝
  4−2。火山活動による堰止めの滝
5。海食崖型の滝
6。河川形成以前の段による
  6−1。氷食懸谷型の滝
  6ー2。隆起波蝕棚型の滝(波蝕棚が隆起、延長川が滝になる):房総では未調査
   ・(まだ他にも出てきそうです)
7。地下水の湧出による
 a。 自然のままの場合
 7−1。湧水型の滝
   7−1−1。火山岩湧水型
   7−1−2。未固結岩湧水型
   ・(まだ他にも出てきそうです
 b。人工が加わっている場合
 7−2。 湧水型の滝(人工改造):湧き出し口を人工改造した滝
 7−3。湧水型の滝(人工導水):湧水を導水して作成した滝。
<補足>
1。房総の滝が視野の中心にありますので、固結した堆積岩や火成岩地域の滝だと  、より細分した方がいい部分があるかもしれません。
  たとえば、横ずれ活断層に対応した滝とか。また、硬岩型の滝と支流型、本流型   の滝との区別が不能ということもありそうです。
2。鍾乳洞の中の滝については、この表の中に位置づけてありません。どなたか、適  案を考えてくださいませんか。→滝の仲間に入れなかったから、いいかな。

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