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下総地方005●銚子市高神東町 石尊滝 1994年探訪    

 
 -----目次-----  場所は高神東町の小畑池の奥、すぐ分かるよ。(^o^)
  見どころ:
 その1 海上郡誌の記述あり。竜頭から水が出る滝、保存が良い。
 その2 地下水を導水した人工の滝だとすぐわかる
 その3 湧水が多く貴重な泉です。

  データ  おきまりのデータ    
 
その1。海上郡誌の記述あり。竜頭から水が出る滝、保存が良い。
 この滝は、千葉縣海上郡誌(大正6年刊)という本に、記述があるので、訪ねました。
 同時代の千葉縣誌には記述がなく、採録されなかった滝ですが、下総の滝としては結構いい滝です。

<海上郡誌の記述>
石尊瀧 高神村字高神大池の傍に在り、石尊社あるをもって名づく、高さ一丈あり、水清くして掬すべし、下流は大池に入る、夏季浴客あり。』

高神村は、今の銚子市高神。高神大池は、地図には小畑池となっています。石尊社は、石尊神社として現存しますが、道路地図なんかには出てないですね。
位置は地図を参照して下さい。
石尊神社は愛宕山麓の斜面を削った斜面にあります。
その参道の階段脇が、石積みになっていて、怪獣ビオランテのような形の龍頭から水が落ちています。結構水量もあります。

竜頭の上には、石の不動明王像、落ち口には、倶利迦羅竜王像がある。
落ち口は、小さな堰になっていて、水を溜められるようになっていたと思われる。 下総地方の滝の定番の形を良く残しているといえるでしょう。
今では、この程度残っている滝が少なくなってしまっているので、貴重です。

●その2。地下水を導水した人工の滝だとすぐわかる
。     


龍の後ろは普通見えないもんですが、この滝は仕掛けがミエミエで一見してよくわかる。
 上の図が概念断面図です。
 湧き水を四角く掘り込んだ池に溜めて(防火用水池兼用でフェンス張りの冴えない姿の池です)、池の余水を溝で不動様の下を通して竜頭から流しているわけ。
 地下水を導水して作った滝ですので、人工の滝ということになります。
 
 <写真説明>
 できたばかりという感じの、不風流な池。

 池から、溝が不動明王像の下を通っています。
 溝の先に、竜頭がある。



 不動明王と竜頭。
 コケがどっさりついていたので、作られた年代の銘文なん
 かは、見てません。

その3。 湧水が多く貴重な泉です。 

 実は、滝の落ち口の下、侵食谷谷底の近くから、どんどん多量の水が湧いています。滝の水量なんかよりずっと多い。

 なかなか凄い泉です。
 
 この泉の理由、ひいては、滝の湧水の理由は、一見じゃ分からないです。

 神社周辺の地質の様子もはっきりしないので、あくまでも推定ですが、この場所は、愛宕山を作る中生代の岩塊の上を、下総層群の香取層が覆いそれを又、市原段丘礫層が切るといった構造だと思いますので、湧水そのものは、愛宕山の斜面から供給されているものと思いますが、湧き水そのものは市原段丘礫層から湧いているようです。
 

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