滝の景観 分類(案) 滝おやじ案 HPトップへ
変更履歴 アップ以来、追加がたくさんあり、あいすみません。もともと、叩き台ですので、今後、変更があるかもしれません。(^_^;) 041022 アップ 041024 追加 滝モドキの所の文章に加筆。 追加 百選の滝を、本の写真をもとに分類してみました。この表です。 http://www33.ocn.ne.jp/~takisekibututiba/tibataki/keikanbunrui/hyakusen01.htm 行ったことない滝が大部分ですが、認定が間違い等ありましたらご教示ください。 041025 追加 付録2 滝と滝タラズの水痩せ滝との境をどのように引くのかの提案を、付録2として追加しました。ご意見賜れば幸いです。 041026 訂正 帯瀑と条瀑の間に、幟瀑を追加しました。茶トラン様よりのメールによる。茶トラン様ありがとうございました。 追加 滝面の形状等の事例画像を追加しました。 041027 追加 付録3 人工滝と湧水滝の特有の形とは ・・・礫ナシ滝について を追加しました。 |
ここから本文です。 とにかく、こうゆう風にする というのを最初に示します。理由やなんかは下の文章を見てください。 |
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例 片溝直下滝(加工滝) のように記述する。 百選の滝を材料にやってみました→ この表 |
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現在よく利用されている永瀬氏の滝の種類には、種別としてあげられてなかった例を示します。 例 その1 溝状緩斜瀑 龍馬淵の滝 山梨県鰍沢町大柳川渓谷 |
例 その2 人工瀑 南玉不動の滝 千葉県大網白里町南玉 湧水を引水して、不動尊参道脇に頭から水を浴びる水行ができるようにした行場の滝。 江戸時代から明治時代にかけて、祈願のため、あるいは、病気の治療のため、各地で滝が作られた。 |
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説明書 目次 1 3つの見方 2 景観としての滝の分類 3 現状 永瀬氏による分類とその評価 4 滝の景観分類案 4-1 表記方法 4-2 対象 4-3。滝の記述 (1) 大分類 手順1、成因的に、普通でないので、特有の形をしているものを選ぶ。 手順2 連瀑か単瀑か判定 連瀑なら、連瀑にする。 手順3、滝面の幅・高さ比が、壇瀑とそれ以外に分ける。 手順4 壇瀑以外を、滝面の断面形で区分 (2)滝面の形態修飾語をつける (3)その他 (4)付記 5 景観簡易分類 その評価 付録1 提案 信仰や歴史のある滝は、滝モドキでも滝の仲間にしよう。 付録2 提案 滝と水痩せ滝との境の決め方 |
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1。 3つの見方 | |||||||||||||||||||||||||||||||
「滝の定義」ということを考えると、立場の異なる3つの滝の定義(滝の見方)があると思います。すなわち、「歴史上の滝」「自然科学の滝」「景観としての滝」の3つの滝の見方がありますよね。 人文科学的に、滝の信仰とか、滝の利用とかを考えるときの「滝」は、「歴史上の滝」の定義で、この場合、低かろうが、人工だろうが、水が無かろうが、「滝と呼ばれたものが滝」ということになります。・・・秋川の吉祥寺滝(筏師が難所だったので滝とよんだ超低い段)のように。 分類も、歴史的な分類では、用途による分類(神体としての滝、水行用の滝、発電用の滝、水車用の滝とか)ということになります。 自然科学的に滝を定義すると、河川の河床の段ということになるので、枯れ滝でも、滝ですし、低くても滝です。地形が主で、水は従と言うこと。 分類も、成因と、その後の変遷を主にした地史的なものになります。 |
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2。景観としての滝の分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||
現在、滝の価値は、社会的に上昇中と思いますが、それは、自然景観としての価値であって、たとえば、日本の滝のリストをつくるというような動きの際も、対象としての滝は、自然景観としての滝ということになります。 ですので、景観としての滝の分類は、上の2つの考えとは、違って、「景観としての滝」という概念で、滝の定義をしてリスト化すべきだし、その定義があるといい、と思います。 つまり、「この滝は一見の価値がありますよ」「見ると、心が豊かになるいい滝ですぜ!」という人間側から見た価値判断が加味されている必要があると思います。 ただし、「いい」という基準に、私は、自然景観、文化景観と言う言葉があるように、自然として立派だけでなく、人との関りで由緒・交流・意味ありといった面で勝れている ということも含めたほうがいいと思います。・・・「景観として優れた、広い意味での滝」という定義になるのかしらね 以前、滝の地学的な分類名称について、述べたことがあるのですが、今度、滝の景観分類について考えてみました。 |
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3。現状 永瀬氏による分類と その評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||
では、景観としての滝の記述用語がどれくらいあるかというと、非常に貧困としかいえないでしょう。数が少ないうえに、あいまい。 景観用語といえども、 1。成因的なバックがあること・・・そうでないと、用語で規定しても、意味のない分類なので使いまわしができません。が必要です。 例:滝面の色で、赤滝、黒滝・・と別けても、無意味なのと同じ。 2。定義がはっきりしていて、基準をもって仕分けできる。の2点は科学として、実用として必要です。 ところで、皆様の、滝のリストの景観記述用語をみると、簡単明瞭で、数が少ない分類が滝人間には好まれているようですね。 そのような、滝の分類の例として、永瀬氏の滝の名称というのが、一番流布しているようです。以下に、引用してみます。 −−−−日本の滝百選」記念誌『日本の名瀑』(平成2年)グリーンルネッサンス刊−−−− 「滝の形いろいろ」(文・イラスト 永瀬嘉平):イラストは省略しました 上から下へと水を落とす、そんな単純作業の滝にも、落ちてくる姿・形は千差万別で一つとして同じ滝はありません。 その落ちてくる滝の形態を幾つか図示してみます。たいていの滝はこれらの中に入ります。 1。直瀑(ちょくばく)一気に落ち口から落下する滝で、もっとも男性的な滝、名瀑と呼ばれるものがこのパターンに集中。(例=華厳滝(日光)那智の滝(和歌山)) 2。分岐瀑(ぶんきばく)落下してくる途中でいくつもの流れに別れて滝を作る、いわば女性的で美しい形をとる。(例=霧降の滝(日光)) 3。潜流瀑(せんりゅうばく)熔岩層の下を潜流してきた流れが、崖の中腹などからにじみ出て滝を作る。(例=白糸の滝(富士)) 4。段瀑(だんばく)二段、三段といった階層をつくる滝で、風景的に見ても美しい。 (例=袋田の滝(茨城)称名の滝(立山)) 5。渓流瀑(けいりゅうばく)傾斜した河床の上を滑るようにして流れてくるものをいい、その高低差が大きいのを滝の中に含む。 (例=竜頭の滝(日光)) 6。海岸瀑(かいがんばく)川身が海岸線の崖から一気に落ち込む滝。 (例=北海道の知床半島の滝や鹿児島の屋久島の滝) ----------------------------------------------------------(引用終わり) そもそも分類ということで、提唱されたものでもないのですが、この仕分けが、人気あるのは簡単だからということなのでしょう。 この仕分けを、分析してみると、 成因的に特徴があるもの、 潜流瀑と海岸瀑 連瀑であるもの:段瀑 単瀑で、滝面の形が、直下する、分岐する、幅が低い :直瀑、分岐瀑、渓流瀑 に分けているものです。 6種類だけで滝がすむものでないことは、誰しも分かっていることですが、どうにかどれかにあてはめてしまえるので、使われているのかもしれません。 評価その1。成因的なもの2つを除くと、滝の種類が4種しかあげられていないのは、いくらなんでも少ないでしょう。直瀑でなく、たとえば、ゆるゆる落ちる滝で、分岐爆でないのは、どうするのでしょうか。 評価その2。範疇の違うものが、並列されていて、そのままやると、重複してしまいます。 直瀑であってかつ、分岐瀑である、という滝はたくさんあります。 範疇の違う基準でえらばれたものをいう場合は、普通、判別順序が示されて、その順序で 分類していくわけですが、その方法記述がありません・・・ 評価その3。他のものと区別する、仕分けするにあたっての基準が、書かれていません。 評価その4。 単位としての滝がどれか不明瞭。成因的にいうと、多くの滝は、複数の分裂した独立の滝が近接している状態、連瀑なのですが、それと、まだ1つの滝だが分裂しかかっているので滝面に段がある、階瀑との区別をつけていないようです。その結果、単位としての滝がどれか不明瞭になっています。 以上をまとめると、こんなのを作ったらどうかなということになります。 もう少し種類数を増やして、かつ、簡単であり、景観記述として最低限の厳密性をもつぐらいのところの分類が、作れないかなと思いまして、作成してみました。 |
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4。滝の景観分類(案) 以下、滝おやじによる、景観簡易分類(案)です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
4-1。表現の方法 | |||||||||||||||||||||||||||||||
滝面の形態修飾語 + 成因と滝の断面による大分類 + (その他の注記) ()は必要があるとき付ける ---という形式で記述します。 例:片溝直下瀑(季節滝) |
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4-2。対象 | |||||||||||||||||||||||||||||||
たとえば、「日本の滝」というリストを作るとき を考えています。 対象は、川で水が落下、急に滑り下る地形、自然地形・人工地形。 (1)対象分野 そうすると、自然景観としての滝、+ 歴史景観としての滝(当然、人工の滝、加工された滝が含まれる)ということになります。 歴史景観としての滝 例:京都清水寺、音羽の滝 もろ、自然の滝ではないが、日本の滝ではある。 例 デイズニーランドの滝は、現在は由緒がまだありませんから、対象にしませんが、100年後にもまだあったら、高度成長期の文化遺産ということで、対象になるでしょうね。 (2)滝と滝以外 自然の景観として、滝を考えるときに、概念として、以下の3つに分けると明快と思います。 「いわゆる滝」:水が落ちている地形・・景観を、 (a)滝 (b)滝タラズ (c)滝モドキ の3種に分ける。 「滝」:ある高さと、ある水量以上の、河川の自然の作用が働いている段。 「滝以外の地形」
慣れれば、一目見て地形が不自然なので、怪しいと感じ、地形図を読図してみれば、ほとんどがわかります。 なお、歴史的に滝を見たときには、滝モドキの滝が、滝として入ってきます。というのは、日本人は、人工的に滝を作り、庭園や寺院の霊地として、あるいは、江戸時代以降は、観光地や水行の場所として、鑑賞してきた歴史を持っているからです。ですので、今の考えで、人工の滝を滝でないとすると、滝と人間のかかわりの歴史をゆがめることになります。というわけで、 由緒のある滝モドキの滝:入れるべきだと思います。 由緒のない滝モドキの滝:観光用に最近作ったような滝は省くべきだと思います。 「滝タラズ」:水量や高さが基準に達しないので、滝として入れてあげられない段の地形 「水痩せ滝」:残念、水量がありません・・という滝タラズ。 水量があれば「滝」、水がなければ「枯れ滝」ですけど、その中間になります。 「丈無し滝」:残念、基準にした滝の高さに及びませんね・・という滝タラズ。普通、「小滝」といってますけど、混乱するから、別の言葉にしました。 滝タラズの基準は、どこで決めるかは、人間の側の主観です。 高さについては、澤枕氏の意見、「目線より高いのが滝である。」というのが凄く説得力がありましたので、2m以上を 滝、としたらどうでしょうか。 それでは、数が多くなりすぎるので、房総の滝のリストでは、家の軒の高さぐらいでだれでも落差を感じる高さだなあということで、5m以上のもの(連瀑で合計が5mでもよい)を一応の境界にしています。 このへんは、人間から滝を見る視点ですから、場合場合でいろいろありうるということで。 「滝タラズ」というのは、景観的に言ったのであって、地学的には立派な滝です。ですから、足らないだけで、いいものもあります。写真撮ると立派なのもあるしね。 なお、「水痩せ滝」については、 「枯れ滝」・・・滝面に水気なし --- 水気あるが水面は見えぬ 程度の状態 「濡れ滝」・・・滝面を水が濡らしている -- 這っている 程度の状態、 「垂れ水滝」・・・這っている -- 白波が立ち -- チョロチョロ落ちている 程度の状態。 「滝」とさらに区分したらと思います。 補足の提案:滝と水痩せ滝との境は、どう決めるかについての提案 → この下の付録2へ |
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4-3。滝の記述 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(1) 大分類 上から順に、判別していってあてはまるものを決めていきます。 ●手順1、成因的に、普通でないので、特有の形をしているものを選ぶ。 人工瀑 :滝の水と、滝面との人工度が問題になるわけですが、導水路による引水、あるいは、人工的に供給されている、場合は、人工瀑とします。 水が自然で滝面が人工(例:川廻し滝など)の場合は、普通の滝として扱いっていいとおもいます。ただし、川廻し滝と注記 滝面が加工されている場合:普通の滝として扱っていいと思いますが、加工滝と注記 湧水瀑 :地下水が湧出して滝となっているもの。滝面が、人工的に掘削されていたりしていれば、加工滝と注記。 東京都の、等々力不動の滝なんかは、湧水瀑(加工滝)
●手順2 連瀑か単瀑か判定 連瀑 なら、連瀑にする。 連瀑とは、複数の滝が近接して存在する場合の用語です。 連瀑のうち、最大の滝を本滝、(2つあれば、本滝1、2)、本滝の上の滝を、本滝側から上滝(うえたき)1・2・3 本滝の下の滝を、本滝側から、下滝(したたき)1・2・3と呼ぶ。 では、複数の滝か段のある一つの滝かの区別は、というと概念的には、洪水時に一連の落下流になってしまうかどうかで区別することになりますが、洪水時の状態など見られないことが多いから、2つの急な滝面の間に全面滝壷があったり、平坦な河床になっていたりして、間隔が5-6m以上離れていれば別の滝と、いうことにしています。 それ以下ならば、滝面の段ということで、単瀑で、階瀑ということになります。 ただし、この定義で、厳密にやると、たいていの滝は、最上部、最下部が間隔の狭い上滝・下滝の連瀑になっていることが多く、8割方連瀑になってしまいます。それで、景観分類の際は、上部、最下部が狭い連瀑帯になっている場合は、下からみると見えないことも多いし、単瀑として、本滝分について記載します。
壇瀑 滝面の幅と高さ比が、1:0.5 以下 注:滝面全体の幅と高さの比率は、滝の下から見上げた時の形を示しますので5段階に分けてみました。 滝面幅を1として、高さがその何倍かで区分します。 壇瀑:だんばく:0.5以下。簾瀑:れんばく:0.5-1.0。 幕瀑:まくばく:1.0-2.0。 幟瀑:しょくばく:2.0-5.0。 帯瀑:たいばく:5.0-10.0。 条瀑:じょうばく:10.0以上。 名称は、壇:お寺の土台 簾:竹のひよけすだれ 幕:時代劇の大店の日除け幕 幟:神社の幟旗(のぼり旗) 帯:着物の帯、 条:縄のれんの縄 ・・・のイメージでつけました。 ●手順4 壇瀑以外を、滝面の断面形で区分 階瀑 単瀑だが、滝面の分裂がすすみ、明瞭な段をなしている滝 懸崖瀑 オーバーハングしている滝 直下瀑 滝面を垂直あるいはそれに近い角度で落下している滝、90-80度 急斜瀑 滝面が急傾斜で落下している滝 80-45度 緩斜瀑 滝面が緩傾斜。45度以下
(2)滝面の形態修飾語をつける 線滝、面滝、複合滝などの正面から見た滝面形の区分名称です。 壁状、円弧状:一様な平滑滝面 普通の形なので、わざわざ記入しない。 例 普通の形 馬蹄形 :面滝壁状だが幅が広いと、馬蹄形に中央が上流側に凹む。 例 原尻の滝 溝状 :線滝で掘り込んでいる場合。 例 こんなの、 片溝 :複合滝面で、副滝が1つ 例 こんなの 両溝 :複合滝面で、副滝が2つ。 例 山梨県小菅村の雄滝 など 不定形状 :滝面が壁状でなく、凹凸に富む形 この形態修飾語は、必ず記入するようにします。ただし、壁状、円弧状は記入を省略する。 また、人工瀑には、つける意味無し。
(3)その他 :分類では、当てはまらないものが必ずでますので、その他をつくります。 例:吹割滝 ----複合滝で副滝が、中央に長い直線溝状にあるという滝ですが、類例が見つからず、その他にしたいと思います。 (4)付記 必要がある場合つけますが、あてはまる場合は、必ずつけること。 年に半分ぐらいは、水量がある滝は、「季節滝」と、付記します。 人口度の注記。「川廻し滝」「加工滝」 合流することが景観上意味がある滝 、滝の単体でなく、複数での景観価値が出てくるわけですから、「合流滝」と付記します。 |
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4-4。景観簡易分類 その評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||
以上を表にすると |
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例 片溝直下滝(加工滝) のように記述する。 |
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永瀬氏の文章の例でやってみると: 最初の種別が永瀬氏による種別 :以下が、今回の分類による分類です。 直瀑 華厳滝(日光) :懸崖滝 那智の滝(和歌山) :溝状直下瀑 分岐瀑 霧降の滝(日光) :不定形急斜瀑 潜流瀑 白糸の滝(富士) :直下瀑 + 湧水瀑(合流瀑) 段瀑 袋田の滝(茨城) :連瀑 称名の滝(立山) :連瀑(季節瀑) 渓流瀑 竜頭の滝(日光) :緩斜瀑? いまん所、不明 → 付録 その4 海岸瀑 北海道の知床半島の滝や鹿児島の屋久島の滝 写真ないのでできません。 百選の滝でやってみました。→ この表 種類の認定が違っていたら、ご教示ください。 単純に、修飾語と主分類で、6×10で、60通りの場合があることになります(注記を除く)。 永瀬氏のは6種ですから、えらく増えたことになりますが、6+10=16通りの記述にしただけですし、厳密化しただけですので、名づけるのに特に困難はないと思います。 主分類では、その他も入れて10種にしただけのことです。 少なくとも、永瀬氏の分類よりは、大体の滝を、簡単に厳密に分けるのには成功していると思います。その他というのもありますしね。(^。^) 問題あるとすれば、連瀑が、おおざっぱ過ぎることでしょうか。「□連の連瀑」というのも必要かもしれません。 なお、永瀬氏の名称と同じ名称は、使っていません。 |
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付録 その1 | |||||||||||||||||||||||||||||||
●提案 信仰や歴史のある滝は、滝モドキでも、人工瀑という名で、滝の仲間にしよう。 各地に例があると思いますが、千葉県での例を挙げると、
いずれも、信仰的な背景や、歴史的ないわれがあります。 滝を地学的な滝のみに限定するのは、滝の保全とか保護とか考えても得策じゃないでしょうし、ココロが狭いよね。 そんなわけで、下総地方にある、水行のための滝のように、「滝を作るのが目的で導水して作った人工の滝」については、水が自然の湧水や河川水である場合には、人工瀑として仲間にしたいと思います。 さすがに、公園の造園のための滝は入れてありません。 また、最近の観光対象の滝モドキの滝(粟又の滝遊歩道の昇竜の滝のような)のは、自然の滝のように見せて、実は人工という、薬剤入り温泉みたいな話で、自然の滝と一緒にするのは憚られます。滝のリストなどには入れるべきでないと思います。 ●写真説明(上) 鶴巻滝 海上町見広にある。右手50mの所に飯岡層と香取層との境から湧く豊富な湧水があり、その一部を導水して飯岡層の部分で落とし、水行のための滝を作った。写真の不動明王像の後ろの溝が滝の跡。いまは、廃止されている。 要するに、導水して人工の崖に落としたので人工の滝。滝モドキです。 ですけど、信仰のものですから、水も落ちてないけど、人工瀑として滝の仲間に入れます。 なお、千葉県の特徴である「川廻しの滝」は、河床の段は人工トンネルの出口ですから人工ですが、水流は転流されただけですので、礫が流れてくる自然の状態ですので、人工瀑ではなく、(川廻し滝)と付記して、滝の仲間に入れます ●写真説明(下) 上白狐の川廻し滝 |
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付録 その2 | |||||||||||||||||||||||||||||||
●提案 滝と水痩せ滝との境を、どう決めるか 滝と水痩せ滝との境を、どこにしようか、というのは、滝人間なら必ず考えることだと思います。 しかし、 水量については季節変化がありますので、滝と水痩せ滝との境は、1ヶ月ぐらい水無くてもよしとするか、2ヶ月かとか、主観にかかわる所があり、毎月見に行くわけにも行かないし、わたしが見に行ったときは水があったというのでは理由にならないから、決めがたいですね。 そこで、数量化して、多数決できめるしかないと思うのです。 そのやり方としては、「その地域で、滝人間多数が、滝と認めている滝の流域面積の中で、最小の流域面積を、滝と水痩せ滝との境界値とする」のが、いいのでは。 流域面積は、現地に行かなくても、カシミールなどの地図ソフトで簡単に測れる値です。 ただ、地域によって、気候も違い、流域の地質の差や高さ、植生の違いで、流出係数も違うので、場所によって、境界値は変わるはずです。少なくとも、表日本と裏日本、九州と北海道では違うはず。 事例を、考えてみると、千葉県では、0.2kuが境界値だと思います。 多摩川流域でも、0.2kuでどうでしょうか。ちなみに、秋川の綾滝0.3ku、白倉不動滝0.2kuです。 流域面積の値って、ずいぶん少ないようですが、1kuあると、その水量は、常時、立派なものです。 勿論、湧水瀑や人工瀑のような特殊な滝は、流域面積なんか無くても、滝です。 また、流域面積が境界値より小さくても、常時水量がある滝があった場合は、特殊な理由があると思われますので当然、滝とします。 皆様の、ご意見を賜れば幸いです。 |
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付録 その3 041027 | |||||||||||||||||||||||||||||||
● 人工瀑と湧水瀑の特有の形とは
「滝の上流に、自然の川がありません。その結果、滝には水しか流れてこなくて、洪水の際に流れてくる礫や土砂がありません」 ということになります。礫が流れてこないので、滝面が侵食されず、滝面の様子や形が、普通の滝と違っている所があります。 川の有無は、滝の上に行ってみれば、分かることですが、滝の下から滝面を見ても、違いが分かることが多いです。 人工瀑・湧水瀑の普通の滝との見分け方としては、 人工瀑では、信仰用等の滝は、滝面が大抵加工されていますので、自然のものでない可能性にはすぐ気づくと思います。 ただし、引水された人工瀑か、自然の湧出瀑かは、滝の上に行かないと判断できません。 一見わかりにくい人工瀑は、観光等のため、引水して、滝で無かったところの崖や、小さな川の枯れ滝・濡れ滝に落とした滝などです。 その気になってみれば、滝の水量と滝面の傾斜や掘り込みのアンバランスがあって、水量の割に急だったり、まる見え過ぎる・・・・立派過ぎるので、分かることが多いです。不自然なんですね。とどめは、地形図で上の谷を確認すれば、滝上まで行かなくても、たいてい判断できます。 湧水瀑では、湧きだし口の下流の岩が、軟らかい場合は、滝面保護のため加工されているので、大抵あやしいなとなります。 下の岩が、硬い岩の場合、湧きだし口が見えなかったりすると、普通の川の滝との判別が難しいことがあると思います。 決め手は、上まで登ってみることですが、一般に、湧水瀑の場合、礫が流れてこないので、滝面上に、草や木がはえていたり、滝面が廻りの滝崖から削り込まれていなかったり、滝面の上の微地形が水流の作る滑らかな形でなく、滝崖の岩石の割れ目の形そのままだったりします。 このような、礫が流れてこない川の滝を、私は、礫ナシ滝とよんでいます。人工瀑は礫が流れてくると壊れてしまいますから、原則礫ナシ滝です。 自然の滝では、湧水瀑のほかに、湧水瀑のすぐ下流の場合も、礫がほとんどながれてこない滝があるはずです。又、流域に岩がなく、礫が川に無い、砂と泥ばかりという川もあるでしょう。その場合、滝が出来ないことが多いでしょうけど。 礫のない滝で一番多いのは、湖の湖尻の滝の例です。滝上の湖に流れてきた礫が溜まってしまうので流れてこないというものです。 日光の湯滝のような、侵食がほとんどない、急斜〜緩斜瀑と、日光の華厳の滝のような、滝下部がえぐられて崩落することによる直下瀑との2類型の滝になることが多いようです。 日本の滝と、世界の滝を比べる際には、礫ナシ滝か礫アリ滝かということは、重要な視点になります。 |
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付録 その4 041028 | |||||||||||||||||||||||||||||||
●竜頭滝 って、どんな滝? いまんところは、私は分かりません。・・・不明です。 下流から正面くぃを写した写真を見ました。 この滝、下流が2つにわかれているそうで、その中島にはばっちり木がはえていて、段丘化しています。 このような中島地形の場合、中島が、流下あるいは落下してきた巨礫なのか、それとも、地山の突起なのかで、話が違います。 どちらなのでしょう。地山のようでもありますが、よくわかりません。地山だとすると、滝が削り込んで、2本の流路を作り、長期にわたって維持しているという、非常に希有な事象のように思われます。こんな分流をする滝は、他に類例があるのでしょうか。 また、下部で分流するわけですが、その辺の分流点の地形の様子がわかりません。 以上、写真では、よくわからん。と言うのが結論。 要するに、この滝の成因は、堰き止め滝なのは明らかですが、その変遷(どう変化して現在の形になっていったか)については、規模も大きく、単純じゃないようです。つまり、一般的な滝の形の事例にするのには、特殊、または大規模過ぎて、適切でないんじゃないかなあ。 皆様の、ご意見を賜れば幸いです。 |
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