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6 滝面の記述方法(綿密なもの、簡略なもの)
1.滝面を分類記述する方法

 以前の章で述べた滝面の見方と、定義した地形の用語をもとに、滝面の分類を作成してみます。 
 滝面の地形の種類は、既に述べたように、個々の要素(平面形とか断面形とかの)ごとに見ていけばそんなに種類が多くありません。しかし、要素が5つ以上はあるので、その組合わせでパターン数が多くなります。その結果、組合わせの数は多数になり、1つ1つに、遷急点の成因分類のように名前を付けていくのでは覚えきれません。

 こうゆう場合、どうしたらいいでしょうね。5回独立の要素を足していく分類ということになりますから、似ているものは・・。麻雀のあがり役と同じ考え方でどうでしょう。
 面前・タンヤオ・ピンフ・三色・イッペーコウ・ドラ1  という具合で、分類されます。
 それと同じように考えれば・・。

 要素がたくさんある時の記述方法としては、生物の分類のようにオーダーの大きなものから記述していく方法が普通ですから、それに倣って記述する事にします。
  滝面の地形要素を,地形の規模・古さのオ−ダ−の大きなものから順に記述して,その集合を滝面の分類とします。
 2。滝面の分類(綿密なもの)

 (1)滝面の地形要素を以下の順で記述


  滝の単位:滝の数(単独の滝か、多数の小滝で1つの滝か)
   ↓
  平面形1:川幅との関係・滝面の平面形・あれば副滝の平面形
   ↓
  断面形1:段数
   ↓
  平面形2:滝面のまがり
   ↓
  断面形2:滝面の傾斜、滝面表面の微地形

  

 (2)地形情報以外の情報を付けます

  滝壷の情報:有無、規模、埋没等
   ↓
  滝面の岩石の情報:岩質
、見かけの造瀑層、構造、傾斜、地層名等

 例:たとえば、砂防堰堤みたいな、高さ8mの滝があったとすると。
 高さ 8m。単独滝・面滝・壁型・無段・直の滝・直下型。全幅滝壷。泥岩層・みかけ造瀑層泥岩・緩い逆層。ということになります。
 
 単純な形態分類ですが、形が違えば水流の働き方(成因)が違うといえる地形をもとに分類しましたので、分類上同種の地形は、同様のできかたであると言えると思います。
 
 3。滝面の分類(簡略化したもの)

上の分類は、データベースなどの用途にはいいと思うが、文書などにチョイと使うには、長くなって繁雑です。
 生物分類でも、□□属□□種だけ言えばいいことになっています。
滝の分類名でも、省略できるところは省略してみましょう。

  (1).通常一番多い場合なら省略。
  (2).調べないと分からんことは省略
:滝壷や岩石の情報など 
として簡略化します。
 高さ □□m。単独滝・面滝・壁型・無段・直の滝・直下型。全幅滝壷。泥岩層・みかけ造瀑層泥岩・緩い逆層」。
  ↓
 斜め字の所だけ(高さ+平面形1+断面形1・2)を抜き出して、
  ↓
 「高さ□□m壁型直下型の滝」となります。

 実用にはなると思いますよ。

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