(写真撮影・提供 並木健祐氏) これが双峰飛泉の滝面です。 「何だかよくわからん」ですよね。 滝が見えないですよね。 実は、滝は煙突状の穴が4つ繋がった形に滝が掘り込んでいて、落ちている水が下流からはちょっとしか見えないのです。 写真の中央の白い筋と、下の白い点が滝面の水流です。写真は掘り込み部分の入口から覗いた光景です。 この滝の、平面図と谷の横斷方向と縦断方向の断面図を下の図に書きました。 このタイプの滝面は、私の滝面の分類では、線滝、隠れ溝型滝面という名前で分類しています。 そして、この掘り込み部分は、最近できたものです。 |
上段:谷の横断方向の断面 中段:平面図 隠れ溝型の掘り込みに注目 下段:谷の縦断方向の断面 地層の色は、双峰飛泉の成因の図と同じ。 |
図を見て頂くと分かると思いますが、 図の6m分が隠れ溝の部分。それより下流の幅が広くなっている部分が、隠れ溝を掘り込む以前の滝と谷です。 下流の谷には、Aの地点に2基の石碑(江戸時代の文久1年の不動明王石碑と明治以降の別雷命の石碑)があり、江戸時代〜明治(おそらく、香取郡誌の時代までの)谷と考えられます。 6mの隠れ溝の部分は、断面図のBで示した所に、隠れ溝作成以前の導水管が落ちていて、隠れ溝が大正以後(おそらく戦後)に作られたものであると分かります。 ●結論 江戸時代に作られた霊場の滝(当時の滝面形は平凡な円弧状)が、戦後ほったらかされてる間に、滝面に隠れ溝が掘られ、形が変わってしまって、別の形の滝へと変化しつつあるということですね。 |
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