三脚とカメラを使う 2。実際
ボロ三脚(比高21.64mm) 箱尺、野帳、ビニール巻尺、水準器、 色チョーク、 カメラはニコマートELというのに、 レンズ28mm、フィルムフジカラー400 猫は時間変化を示すためうろうろさせる。 |
この方法の良い所は、原理的に簡単ということと、現地で測量しなくてよいということでしょう。
しかし、かなり、気合を入れて、キチンと押さえる所を押さえないと、どっさり誤差が出ます。
1。カメラを鉛直にかつ水平に、かつ同一方向に移動して撮影する必要がある。 これをキチンとやらないと駄目。そのため、水準器(ホームセンターで1000円以下で買えます)が必要。 これで、三脚の上下が鉛直であること。カメラの光軸が水平であること。カメラが左右水平であることを確認して撮影する。あと、カメラの視野で光軸が同じ方向に向いていることを確認。私のぼろ三脚では、雲台の棒にがたがあってきちんと締めないとカメラが左右にぶれました。
2。写真上で、0.1mmオーダーの測定が必要。2枚の写真は同一倍率で同一フレームに伸ばしてもらう。2L以上に伸ばせば可能と思います。サービスサイズでは駄目でしょうね。写真上に、線を引いて、測らなければならないので、製図用の定規、デバイダー(尖った先で線を引いたり、コンパスの代わりに使う、ノギス(ホームセンターで、0.05mm測れるのが2000円ぐらいだったかな)が必要。あと、三角スケール(1/60までの奴)があると便利。
3。現場で、箱尺があればいいんだけど、ないでしょうから、スチール巻尺を活用して、現場で一定の長さのわかるものを、一定距離、できれば三脚の根元と同一高度にセットしておきたいですね。
皆様お分かりになっていると思いますが、この方法の最大の欠点は、カメラが上下に曲がっても、後からは分からないということです。つまり、他の測定方法だと現場で値が出るので、おかしい値が出たら何度も図り直す事ができるのですが、この方法は、間違っているかどうかを知ることができません。そこで、長さを測ったものを写真上で距離高度をきちんとして入れ、値が間違っているかどうかの検定材料とする必要があります。
人物を映し込んでおけば良い訳ですが、より長い物の方が効果的です。
4。測定状況の見取り図と数値は状況の見取り図とともに野帳に記録しとかないと。
5。雲台の比高は、当然0.1mmオーダーで計測しておいてください。
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<家の近くの電柱と電柱につけた箱尺を測ってみました>
左:雲台をあげた写真 右:雲台をさげた写真 写真の中央を通る、水平線と垂直線を引く。 水平線からの距離をノギスで計る。 電柱に付けた5mの箱尺の上下の高さ。電柱の地表から4mのベルト。電柱の高さを測定。 写真の三脚の位置から緩やかな下り坂です。 なお、三脚の上下比高21.64センチ。雲台を下げた状態のカメラ光軸高さ95センチ。 カメラと電柱の距離22.28m 10mぐらいの滝の滝壷水面下流端から見てるのと同じ位置関係だと思います。 |
対象 | 低い写真cm | 高い写真cm | 比高 m |
箱尺頂上 | 2.77cm | 2.61cm | 4.70m |
箱尺下端 | -0.82 | -0.96 | -0.32 |
4mのベルト | 2.03 | 1.87 | 3.70 |
電柱top | 8.55 | 8.40 | 13.28 |
写真上で、0.1mm単位で測定するのはシビアですが、再現性もあり、やればできます。
箱尺の長さが5.02mとなり、4mのベルトが4.02mとなって、ピッタリ。
電柱の高さ13.28mはかなり信頼性が高いと考えられます。