● 簡易レベルを使う。箱尺を使う
何度も言いますが、金さえ出せばもっと良い機械が買えます。あくまで、前に述べた条件の器具でそこそこの精度が得られるものを対象にしています。
 
高さを測るので、もっとも簡易な方法としては、水平を測るのみで測量する方法です。
そして、それが一番精度がいい方法でもあります。器具は、以下のとおり。

<ハンドレベル 望遠棒状> ¥11.800
<ハンドレベル 大型高度付> ¥9.400

覗くと水準器の気泡が同時に見えるというだけの原始的なハンドレベルです。
上のタイプはへこい望遠鏡になっていて、下は素通しの筒です。
お値段は手ごろですね。
ただ水平か否かを見るだけですから
その点では結構厳密です。勿論、遠くなればなるほど不正確になる。

望遠鏡になっている方が、視野が明るいし、遠くまでみられるのでよい。
下は、角度が測れるので、便利のようですが、望遠鏡でないので近くしか使えない。また、水平を測るときに、角度を水平に設定しなければならないので、かえって間違える可能性があり、気を使う分だけ不便。

なお、望遠鏡がついて、角度が測れるのは、¥20.300です。
角度は、1度の1/6まで測れるので、かなりシビアにはかれます。きちんと測る場合は、写真の三脚で固定して測るのをお薦めします。

 ところで、どのように滝の高さを測るかというと、野外で靴をはいた測量者の目の高さをレベルを通してあらかじめ測っておきます。 私は159pちょうどです(oまではかってもあまり意味はありません)。
あとは、滝の高さがその何人分かを測っていけばいいわけ。
1人なら、登りながらレベルで目の高さの位置を確認して、その位置に立って、しゃくとり虫で登っていき、最後は、目の高さ以下になりますから、目分量で、滝のトップが自分の体のどのへんになるかを見てその高さを加えます。
 2人だと、すごく正確になります。箱尺が使えるとさらにグー。:箱尺のめもりはハンドレベルでは少し離れると読めないので、読んではいけない(読み違いが多く発生)。測定者は先に登り、箱尺あるいは長い棒を持ったもう1人が後から登ります。箱尺には、観測者の眼高(私なら159p)+100p、あるいは200pの所に横棒を取りつけ、その横棒が観察社の目と水平になる所を測って、順次しゃくとり虫をします。これだと、1m、2mと値が出てくるので、便利です。
箱尺がなくても長い棒(竹とか)をスケールで測ればできますね(そうないでしょうけど)

大網白里町砂田の露頭。金剛地層の
西野々砂泥互層=小中大滝の造瀑層の部分
この坂道の両側の崖の地層の柱状図と
地層の境の標高を正確に測る必要 があった。


やり方は、原始的そのものですが、1回1回の測定は、誤差1p以下で収まるので、50mの滝でも50p以下の誤差で測れることになります
 写真のような条件のいいところで、坂上と下に標高が分かる地点がある所で、測定結果と標高を比べてみると、高度差70mの測定で、誤差が50p以内に収まります。

この方法の測定ミスは、器具のミスより、人間のミスで発生します
このような場合に・・・・。
  1。直接滝が登れない。→「写し」をします。→写しのミス
簡単に登れるルートで滝の頂上と同じ高度の地点をレベルで決め、その高さを測る。
このように、対象を直接測らないで、高さや距離を別の場所に写して測ることを江戸時代の測量用語で「写し」といった。
この際、写す距離が離れていると、手持ちではレベルの水平が不正確になりますから、三脚を使って固定して水平を出す等の工夫が必要。

  2。目線の位置に立てなかった。→位置のミス→神社の階段をルートにするとよくあります。チョーク等で目の高さ位置に目印をして、立つ場所との比高をスケールで測る。等の工夫が必要。
  3。
途中で何回目だか回数を忘れた・間違えた(年をとるとどうも)→測量回数が多いのでメモしていくのみ。

 登れないし、写せない場合 できないのであきらめ、別の方法でやりましょう。
ただ、「人間根性だ」といって、頭と身体を絞るとなんとかできることが多いです。

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器具の写真と値段は、「測機社千葉サービス株式会社 ’98総合カタログ 測量機器・気象機器・試験機」から取りました。値段の目安にしてください。fax 043-251-9354です。
特殊な器具ではないので、各県ごとに販売業者があり、職業電話帳で見つかると思います。


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