君津市鹿野山 本村川上流の支流の滝群 新情報     滝の新情報目次に戻る  HPtopへもどる

錠の滝・源衛門の滝・2つの支流瀑布帯 など、
滝の新情報として、滝人間の方々から教えていただいた情報を、そのまま紹介することにしました。
 見に行こうと思っていたのですが、とても追いつかないので、結果として情報が溜まってしまい、結果として私物化されたままになってしまうと、、教えてくださった方々の好意に反するなあと思いましたので、地図と写真のある情報は、どんどん出すことにしました。 見にいかれる方に:修正・追加情報等ございましたら、ご教示ください。
 ● 滝人間 木平氏よりの情報。九十九谷の知られざる滝を測定した労作。 画像は全て木平氏提供です。
なお、鹿野山南面の滝や川へ入渓に当たっては、滝人間木平さんや菅原さんに情報を聞いてから入渓する事をおすすめします。岩が軟らかいので、沢登りというのとは異質の川歩きになりますが、危険という点では侮りがたいものがあります。 連絡先は私まで。
 ●水系名 湊川水系本村川 ●立地沢名 図の範囲の北から流入する支流
本村川位置概念図

◆鹿野山の南面は、砂層からできた、東西にのびる急崖になっていて、崖の下部は低いが細かく険しい山と谷が広がる、九十九谷という泥層からなる山地になっています。
 泥層の部分に、多数の滝があり、滝の一覧にも、天神堀滝、間滝、錠の滝、源衛門滝を、リスト化してありますが、それ以外にも多数の滝があります。

◆今回、木平さんの情報により紹介する範囲は、左の概念図の色つき範囲の3本の支流の滝です。沢の名前が不明なので、仮に、上流側から、沢ABC、とします。
◆私・滝おやじは、国見滝と天神堀滝に行っただけですので、
コメントは、写真と地図で分かることのみ。

◆所在地:君津市鹿野山 本村川の上流。
◆番地としては、君津市なのですが、川下がすぐ、富津市の田倉地区になり、そっち側から入山します。
 田倉ってどこ? の方には →道路図ココデス。
本村川上流の支流滝群位置図1万分の1京葉測量千葉県1万分の1地形図、佐貫 昭和49 より作図。

◆流域の地質は、鹿野山の山腹、標高270m付近から上が、市宿層という粗い砂層、それより下が、粟倉層という泥層になっています。
 砂層の部分は、水が全部浸みてしまうので、細かい谷がない山になっています。
 泥層の部分は、水が浸みないので、谷が発達し、V字谷に刻まれた細かい山と谷になっていて、九十九谷と呼ばれています。

◆砂と泥の境界部分からは、各所で多量の湧水があり、川の水源になっています。そのため、普通の川に比べて流域面積が小さいのですが、川に常時水があります。滝にも、常時水が流れているが、逆に、洪水の時の水量はあんまりないという特徴があります。
 ● C沢の滝
 ◆小字、錠掛場 というそうです。沢の名前が分からないので、C沢としておきます。
 中腹に林道があり、そこから、源衛門滝が遠望できますが、ほかの滝を見に行くのは、田倉から地蔵坂を下って、国見滝方面から行ってください。
錠の滝全景 錠の滝 全景   木平氏画像番号 109

◆C沢の本流にある。
◆滝の地名と来歴
この滝は、富津市の滝人間、菅原さんが調査して、はじめて紹介した滝です。
小字、錠掛場 にあるから、錠の滝なのでしょうか。
◆地質 粟倉層、緩い逆層、砂泥互層のようです。
●落差 3.1m 下に、低い下滝があります。
◆緯度経度〔日本座標〕
北緯35゜14′16″ 東経139゜57′19″
◆流域面積 0.89k
u
◆滝の成因
地図から見ると支流型の滝。
錠の滝近景
錠の滝  木平氏画像番号 108

◆滝面
 滝壺に対応した以前の円弧状の滝面を細く直線溝状に堀込んで線滝になっています。
◆地層
滝面と地層の関係は、緩やかな逆層ですね。
岩質は、写真からではよくわかんない。
凹んでいる地層は、水中堆積したスコリア凝灰岩のようですけど。

源衛門の滝本滝 源衛門の滝 本滝   木平氏画像番号 110
<木平氏コメント>
源衛門滝については別紙手書きの図を同封いたします。→下の図参照。
本滝と上滝とは15mほど離れていますが上滝の全ては調べていません。
<滝おやじコメント>
◆C沢の支流にある。→支流の支流の滝
◆滝の地名と来歴
この滝は、上の林道からも見え、千葉滝人間の草分け、君島氏と一緒に遠望しました。
滝名は君島さんがその後聞き取り。源衛門という人が落ちたので・・ということを聞きました。
◆地質 粟倉層、緩い逆層、泥がち砂泥互層のようです。
●落差 8.1m 上に、3.4mの上滝があります。
・・・今回木平氏が測量してくださいました。
◆緯度経度〔日本座標〕
北緯35゜14′19″ 東経139゜57′15″
◆流域面積 0.04k
u
    異常に小さく、滝の水はほとんど湧水。
◆滝の成因 滝としては、支流型の滝。
源衛門の滝上滝 源衛門の滝 上滝   木平氏画像番号 111

 落差3.4m
◆この滝木平さんの撮った写真は、紹介した最初の写真でしょうね。
◆どうやって登ったんでしょうか?

◆滝の成因
見た目では、泉はまだ上流にありそうなので、この滝は支流型の滝のようです。もちろん、木平さんのコメントにもあるように、滝上の様子が不明なので、
地下水型の滝の可能性はありますが。
源衛門滝断面図 ● 源衛門の滝 断面図  
    測定 木平氏 2000/2/6
    高さは巻尺により測定

  総比高 約13mの連瀑瀑布帯


 作図 滝おやじ
C沢の水源の一つ <木平氏のコメント>
●C沢の水源の一つ(図の空色です) 
 木平氏画像番号 112
C沢の水源の一つ。岩の上下から水が湧きだしています。おもしろいですねえ。これだから滝人間やめられませんよ! しかし都会人をここにポンと置いてきたら発狂すること間違いありません。

●この他にもこの沢には沢山の湧き出し口があります。いや、この近辺全体から湧いている感じです。

●この沢には砂防ダムが五カ所あり、地図上に示しました。→緑の線
 ● B沢の滝
木平氏の詳細な調査によって、下図のような滝があることが分かります。
急な谷で、水平距離200m足らずの内に、総比高は、約40mになる、4つの連瀑帯があるということになる。
水源が、湧水なので、最上部の滝には、滝上下の2カ所で湧水があるそうで、おもしろいですね。
 B沢の滝位置概念図B沢の詳細な滝分布図  木平氏の調査による

<木平さんのコメント>
この沢は本村川まで200mほどなので、大小に関わらず全ての段差を記した図を同封します。

<滝おやじのコメント>
◆地質 粟倉層、緩い逆層、砂がち砂泥互層
◆流域面積 0.05ku
  流域面積が狭く、もろ地下水の湧水による水でできた谷です。
B沢F1B沢出合い懸谷瀑布帯 F1〜5 総比高 12m

B沢 F1(出合い瀑布帯の本滝) 4.4m
  木平氏画像番号 101
<木平さんのコメント>
落差4.9m
この滝の水が落ちたところが本村川です。しかも、裏見滝となっています。

<滝おやじのコメント>
◆F1〜F5で総比高12m の懸谷滝が分裂した連瀑瀑布帯を作っていることになります。
 F1:4.9mの上に、1.2m、0.2m、1.3m、1.3m、0.3m、3.3mと6つあり、本滝が、F1。 F5までが、上滝1〜6になる。
◆流域面積 0.05ku
   これも小さく、水はほとんど湧水ですね。
◆地質 粟倉層、緩い逆層、砂がち砂泥互層のようです。
B沢F3、4、5B沢 F3〜5(出合い瀑布帯の上滝3〜5)
  木平氏画像番号 100B
◆手前から、F3:1.3m。 F4:1.3m。F5:3.3m。
<滝おやじのコメント>
◆泥topの滝と泥topでない滝
◆滝面の形が違いますね。
F3、F4は、丸っこくて、丸い溝が掘らっれ、横断面形がV字型。
 F5は、滝面が垂直に切れていて、細い溝が掘られ、横断面形が下がすぼまった台形。
 このわけは? →一目で分かるように、地質が砂〜シルト層が多く、所々に薄い泥層が入っているのですが、
F3とF4は 滝の頂上に泥層がない場合。
F5は、滝面の頂上の地層が泥層の場合。というわけだなと、分かります。
 今までの、滝の形をその目で見直してくださると、
 泥topでない滝 B沢のF1、源衛門滝の上滝、錠の滝
 泥topの滝 源衛門滝本滝、
となっています。
◆地質 粟倉層、緩い逆層、砂がち砂泥互層
B沢F5 B沢のF5 (上滝4) 3.3m 幅2.7m
   
木平氏画像番号 100A

<滝おやじのコメント> かっこいい滝ですね。
木平さんの詳しい記録によれば、この滝の上は、しばらく、平坦。→出合いの瀑布帯の最上段ということになります。

◆滝のtopが、泥層なのがよく分かります。
  細い溝状の堀り込みにも注目。
  この地形を、たとえば、ハッシャイの滝などと比べてみてください。滝の作る形としてそっくりな事が分かります。→ハッシャイの滝。 
B沢F15,16,17
B沢小滝連続瀑布帯
 F6〜17 総比高 約 9m

F15〜17の滝  木平氏画像番号 107


<木平氏のコメント>
F15、0.7m  F16 1.1m  F17 0.95m の3連
  B沢F18〜21の瀑布帯 F18〜21 総比高 8m
B沢F18
F18  木平氏画像番号 99
   2段 1.8m
B沢F20
F20  木平氏画像番号 98
    1.8m
B沢F21
F21  木平氏画像番号 97
    2.7m
B沢F25B沢F22〜25の瀑布帯 F22〜25 総比高 10m

B沢 F25  6.6m  木平氏画像番号 96

<木平さんのコメント>

落差6.6m  この写真には写っていませんが下滝があります。
この滝はこの沢の水源で滝上はすぐ急な崖となっています。
従ってこの滝の落差をはかるのに滝上には行けません。
ではどうするか、両手両足を広げ、大の字になって登っていきます。

滝上で水が湧き出しています。
しかも滝壺からも水が湧いていてW湧き水型の滝!

<滝おやじコメント>

滝上に行くには、そうやってあがるんですか。(^_^;)
うーーん。チムニー登りのツッパリってやつですね。
だけど、とてもできそうもないです。
 ● A沢の滝
木平氏の詳細な調査によって、下図のような滝があることが分かりました。
総比高  mの懸谷瀑布帯です。 瀑布帯の上流は、緩やかになり、上流には湧水が見られます。
この連瀑の名称ですが、葭ヶ作(よしがさく)の滝 というと聞きましたが、ちょっとあやふや。確認がとれてません。
滝の位置は、上の地図を参照。   写真は、渇水期。


 A沢出合いの連瀑断面図

測定は巻き尺
2000/1/5


総比高 16.5m

形のおもしろい滝で構成された、なかんかの瀑布帯です。

懸谷型の瀑布帯です。

 下滝3.4   木平氏画像番号 84 
   下滝4   木平氏画像番号 86 本村川本流河床から見上げる

●下滝4(手前)と下滝3(後ろ)

下滝4:4.5m 
  2m、2m、0.5mの3段。
  7m ぐらい離れて、下滝3になる。
下滝3:4.2m。
◆ 流域面積は、0.2 平方キロ
<右の写真 木平氏のコメント>
 測定できなかったのは、厳しい所に滝があり、この写真を写すのが精一杯だった。装備を調えまた行きます。

<滝おやじのコメント>
 →その後、再度行かれて、滝の測定を完了。その結果が、上の図面です。

 どうやって登るんでしょう。すごい。

2000/12/31 2001/01/03撮影

   下滝4  木平氏画像番号 84

 下滝3の上流のV字谷 木平氏画像番号 87
<滝おやじのコメント>

舞台型の滝面


下滝4は、普通の滝と違って、滝面が張り出して上から見ると、三角に凸になっています。
 舞台型の滝面と呼んでいます。

 この滝の滝面が舞台型になったわけは・・・、見に行ってないから分かりません。いろいろ場合があるんで。

狭いU字溝のような峡谷

下滝3と本滝との間をつないでいる。

 本滝、下滝1,2  木平氏画像番号 94

 本滝と下滝1  木平氏画像番号 95

主滝と下滝1,2

主滝 5.5m
下滝1 1.5m
下滝2 0.75m

<滝おやじのコメント>
ほんとにいい形の滝ですね。

逆層。
岩質は触ってみないとわかりません。
● A沢の水源近く     木平氏画像番号 113
<木平さんのコメント>
A沢の小滝 1.8m 幅1.5m  林道より徒歩10分

この沢にも五カ所ほどの砂防ダムがありますが一番上流にある砂防ダムの上部脇からコンコンと水が湧き出しています。
もう一つこの小滝の下流に2m位(目測)の小滝があります。
自然の段差は本村川との合流点の滝以外ありません。

→場所は、地図のA沢の、一番上流の赤点。
 ● 本村川の本流のナメ
図の位置に、比高10mぐらい、傾斜45°(目測)くらいのナメがあり、水量が多いとのこと。 本流の遷急点として、重要なので、滝おやじとしては、調査したいところです。
 ● 木平さんから、マムシに注意の呼びかけ
この冬は鹿野山周辺の探索が主体となっています。いろいろな写真をご覧になって、マムシさんの人口密集地(いや、マムシ口密集地というべきか)であることが想像できると思います。
先に頂きましたお手紙の中で、滝の地学に改訂版を出される予定とありましたが、是非その中に「マムシ注意」の文言を入れていただきたく思います。房総中を歩いていて、「噛まれた」との声を毎年耳にしているからです。(富津は特に多いです) 
当然のことですが、自分でほっつき歩ける方を対象と考えています。地図上の位置は正確を期していますが、そこに行くルートについては、各自地元の人に聞くなりして、発見してください。勿論、安全は保障しません。崖から落ちたり、マムシに食われたり、ヒルにやられても、それは、見に行った方の自己責任ですのでよろしく。常に、ロープぐらいは持っていったほうがいいと思います。また、滝の位置情報がずれていることは当然ありえます。私が行ってない滝が大半だし、行ってたって、少なくとも私の場合、滝の場所が地図の位置と違っている可能性は常にあります。違っていたら教えて下さい。 
 というわけですが、大抵はそんなに危険じゃないです。むしろ、マムシとスズメバチに注意。
●その他 作成日 03/01/27

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