知る人ぞ知る滝

内梨滝の瀑布帯  (写真上から内梨の滝一の滝。ニの滝。三の滝。四の滝、下2枚update 19990909

所在: 大多喜町平沢 
水系: 夷隅川。
高さ   3mの高さの滝がつある瀑布帯。
比高15mの遷急点をなす。
地層は上総層群黄和田層 泥勝ち砂泥互層。
一、ニの滝はほぼ水平な逆層。三、四の滝はほぼ水平な順層  
滝名の由来
:「うちなし」と読みます。滝のある川の名が、内梨沢。滝名は沢の名によるらしい。


  稿本千葉県誌にこの滝について『西畑村大字平字澤の有池娜思(内梨)谷に在り、此の地は幽谷にして左右の斷岩削るが如し。瀑布三あり、一瀧は高さ一丈五尺、二瀧は高さ一丈、三瀧は高さ一丈六尺にして共に濶さ五尺許あり、下流は夷隅川の支流に入る。』とあります。
 この文だと、滝が3つあって、下から一、ニ、三の滝というとのことですが、並木健祐氏が三の滝の上を登ってみたら、4つ目の滝があって、全部で4つの滝があることが分かりました。
  なお、この滝には大蛇伝説があり、結構有名な話ですので房総の民話等を調べてみてください。

行き方: 以前は内梨沢ぞいの水田が耕作されていて、滝のすぐ近くまで農道を歩いていけば簡単に行けたのですが、最近は休耕の結果道形すらなく、滝までたどりつくのは大変です。根性で行くしかないですね。

この滝どこがおもしろいか

滝自体は、小さくてあんまり迫力がないですね。写真写りはえらく良い滝ですが。

夷隅川の支流、平沢川を、内梨沢が河川争奪して、遷急点を作り
ほんとに垂直の谷壁の峽谷を作っています。
河川争奪による滝というのは、どれも、滝のできはじめたスタート地点が地形的にどこと分かるので、滝の変化を考えるときにいい考えの材料になります。そのうえ、この瀑布帯(遷急点)は争奪地点からかなり動いていて、変化の進んだ遷急点なわけです。

意外とないんですよねこういゆうのが。

あと、滝の規模は小さいけど、滝面の形と地層の岩質との関係がはっきりしていて、面白そうですね。

 三の滝
四の滝 写真提供 並木健祐氏

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