家族連れで見に行ける滝

南玉不動滝

所在: 大網白里町南玉 南玉不動堂境内
水系: 南白亀川の支流水源、東金崖線の湧水を引いた滝。
高さ:  6m。落ち口は龍の口から落ちている。
滝名の由来:山武郡郷土誌によると、『南玉の瀧 南玉の瀧は山邊村南玉清岸寺の境内、絶壁の間に懸り、高さ一丈八尺、とうとうたる音響常に絶ゆる事なし。前面に一小池を控え、眺望佳なるを以て、杖を曳くもの多く殊に夏時暑を緑陰の下に避けて一日の清遊を試みるに宣し。』とある。文中では、「南玉の滝」だが、通称「不動の滝」ともいわれているので、ここでは、「南玉不動滝」としておく。
行き方: 土気大網間の大網街道の急坂の途中を、信号のある十字路で北に入り、崖沿いに行くと、南玉の池への案内看板があるのでそれに従えばよい。
道が狭く、大型車は入れない。






滝を観る
その1。
泉が湧いていたのを、滝にしたもので、水は自然の湧水ですが、それを導水して滝にした人工の滝です。
地層は、上総層群,笠森層。泉は笠森層(シルト層)とその上の下総層群金剛地層の市野々砂泥互層との間から湧いているのではと思いますが、露出が悪くはっきりしません。
水量は、多いですね。泉は滝上の境内の反対側にあると思われますが、どこだかよくわかりません。
その2。いわゆる川にある滝とは違うし、これは滝なの?と思うかも。
この種の地形は、地下水が崖の途中から湧いている場合にできます。岩が固ければ泉の下の崖が保存されて滝になります。富士山麓の白糸の滝など代表例で、火山岩の地域には結構たくさんありますので、「湧水型の滝」とよんで滝の仲間に入れています。
その3 湧水型の滝は、実は一番身近な滝でもあります。関東平野には、下総台地や武蔵野台地のように、未固結の地層でできた台地が広く分布していますが、そういう所では、川には滝がないので、滝はほとんど湧水型の滝に限られます。下総地方やあるいは東京区部にも江戸時代以来の「□□滝」というのが多く残っていますが、みな、湧水型の滝です。勿論、自然のままにしておくと削れて滝でなくなってしまうので、人工を加えて保護して滝にしていました。滝は自然にできたものだけでなくて、滝には人間が作ったもの、人間が保存保護してきたものがあるんです。そうゆう滝は、人間が手を入れていないと荒廃してしまいます。
南玉の滝は、大網白里町の指定文化財になっていて、よく保護されている幸せな数少ない滝の一つです。

その4 なぜ滝を作ったのでしょうか。これは、不動堂の境内の滝の由来に『・・日泰聖人の誦経の功力に依って霊験あらかたに尚此瀧に依って病の治たる者、祈願によって開運出世したる者多く・・』とあるように、明治時代初期ごろまで滝の水行が、病気の治療として普通に用いられていたのです。滝は病院と同じ施設だったわけですね。
 南玉の滝でも、滝のわきには不動像がおかれ、滝下は水行ができるようになっています。
 滝の昔持っていた機能は、今はありません。しかし、私たちの身の回りの環境を考えるとき、水の水源として泉を守り伝えていくことはまずしなければならないことですよね。
 湧水型の滝は、泉のシンボルとして是非大事にしていきたい、地域の自然のへそというわけです。

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