鴨川市横根  タイの下の滝 記録カード     滝記録カード目次に戻る  HPtopへもどる
 ● 滝一覧リストにまだない。そのうち入れます。
●遷急点名 タイの下の滝   ●水系名 房川  ●立地沢名 本流

●所在地:鴨川市横根 房川本流に
  かかる橋の下
●難易度、1 滝下には3かな。 
●緯度経度
北緯35゜04′08″ 東経140゜04′13″

●落差 6m:箱尺 

●流域面積 0.47k
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写真は、滝人間杉さん提供です。ありがとうございました。1997年6月撮影。
写真提供 滝人間 木平氏。99年7月撮影
ありがとうございました

頂きものの写真が多い滝なんです。
●記述文書 なし。
  この滝は、記録された文書がない滝ですが、なにしろ橋の下にあるのですから、滝人間なら誰でも知っているという滝でした。滝人間草分け、君島氏も言ってましたし、赤羽さんは勿論、なんと、私、滝おやじでさえ、通りかかって知っていた滝です。
 結構立派な滝なのですが、景観がわるいものですから、相手にされず、名前も調べようと思った人がいないという不遇というか、正当に処遇されているというかの滝です。

滝の名称について
 滝人間木平さんにお願いしたら、地元で確かめてくださいました。
 小字が、タイの下だそうです。
 滝の名前は、タイの下の滝 ということにします。
 そこで、はたと、気づくのですが、
 「タイ」というのは、普通は、「ダイ」で、台。台地の意味でしょうが、千葉県では、「滝」の意味で、養老川上流で実際に、例があります。:養老川の大タイ、小タイの滝。
 どうやら、滝の下の意味だとすると、
はじめに、滝があって、滝の下という地名が出来て、滝の名前がないから滝の下の滝にする、というどことなく徒労な話になりそうですが、まあ、横根の滝というより、限定されるから、タイの下の滝のほうが、いいんじゃないかと思います。
滝面 帯瀑。 複合型面滝・副滝円弧状・2段。上段緩傾斜、下段急傾斜 全面滝壷
   画像では暗いんでよく見えませんが、上段の上に用水堰があります。
地層・岩質・構造 保田層群青木山層 泥岩層 地層の向きは複雑でわかんない。
成因 岩質の硬軟による滝  →下に述べます
変遷 ほとんど滝面を削っていない。滝壷は形成されている。もっとも、滝上を良く見てないので、滝の上が分裂しているかどうかは、分かりません。
国土地理院2.5万地形図安房和田
より作図。
 

滝は、房川本流にかかる橋の下にあるんですが、どうもそこが断層線の上でもあるようです。

この滝は、断層線を境にした地質の違いに対応して出来た滝のようですね。房総の滝には珍しいことですが。

図の緑線が断層に当たると思う線構造です。
地質は、 断層より北(上方)は、保田層群青木山層。断層より南は、保田層群前島層とそれが破砕された地すべり地堆積物。

滝の下流は護岸されてしまって、地質が見えませんが、地形からみて、地すべり堆積物にほぼ間違いなかろうと思います。
滝面には、いかにも保田層群というかんじの固結した泥っぽいシルト風の地層が見えてます。
 そうすると、断面としては、図のようになるわけですが、さらに、
平面形を見ると、滝の下で谷幅が広がっていて、下流側には固結した岩石はないという形です。
 
 房川は、断層線を横切って流れているのですが、最近の下刻で谷を掘ってきたが、未固結な地すべり堆積物をすいすい掘って、谷幅もそれなりの谷を作ってきたのだが、断層線のところで、河床に青木山層の岩が出てきて、すぐに削れないものですから、断層線にそって川に段が出来てしまって、それが滝というわけです。
 現在の滝面の様子から見ると、滝を掘り出し、滝壷を作ったが、まだその位置からほとんど滝が後退してない状態ですね。

● 周りを見ると
実は、この東西に走る断層は、2.5万地図だと、房州大橋⇒横根⇒山居⇒西山⇒市井原⇒畑⇒東と続きます。断層に沿って、南側に、房州大橋〜市井原間は、地溝状の地すべり地が発達する凹み列。市井原〜東の間は、南側が曲流の発達する洲貝川の谷となり、断層線の北側はいかにも断層に沿って急崖が続く地塁山地状になっています。
 地溝や地塁は、断層運動によって隆起沈降した結果できる地形とされていますが、この地形は、青木山層と前島層の岩質の差によって、侵食の形式と速度が違うためにできた地形で、侵食によって掘り出されて、地質の違いが地形に反映している地形と解釈されています。・・・実は、そうかどうかは確実ではないんですけどね。(^o^)
 2.5万地形図を見ていただくとよく分かりますので、どうぞ。
 周りを見ると その2
より小さい地形を見ると、この断層に沿ってみていくと、何個かの谷が断層を横切っていますが、
横根のすぐ西の山居、西山の谷には、その地点に、分裂しているので、小さな滝が連なる瀑布帯になってしまっていますが滝があります。
 この線の延長上の、市井原、畑ふきんにも滝がありそうだという予測が立ちますね。⇒まだ見に行ってませんが。 
     
滝と景観
以上、なかなかいわくもあり、水量もあるときはあるので、それなりの滝なのですが、滝人間ですらあんまり相手にしてくれません。
私も、滝の一覧リストに入れるのに、条件としては一応クリアしているのですが、あんまり入れたくないですね。
 それもこれも、橋がかかっているせいで、滝人間お二人が撮ってくださった写真を見ても分かるように、滝の上にある橋を写さない様に工夫して、撮っているんですねえ。
 橋が入っては、ぶち壊し。つまり、滝はいいとしても、そこに、人工景観が無遠慮に入ってくると、滝の景観としての価値もなくなってしまうというわけです。

あたりまえのことですが、自然を生かして作ったと称する遊歩道や観光施設が、せっかくの滝の景観を台無しにしている例というのはいくらでもありますよね。

この滝の場合、壊そうとして作ったんじゃなくて、前から道があったか、作りやすいところだから作ったんで、だれも滝のことなど考えてないので無理もないんですが。
歴史・利用  滝の上が用水堰と橋。詳しいことはわかりません。
●調査日  020712   作成日  03/01/16

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