大多喜町平沢 内梨沢の滝 新情報     滝の新情報目次に戻る  HPtopへもどる
滝の新情報として、滝人間の方々から教えていただいた情報を、そのまま紹介することにしました。
 見に行こうと思っていたのですが、とても追いつかないので、結果として情報が溜まってしまい、結果として私物化されたままになってしまうと、、教えてくださった方々の好意に反するなあと思いましたので、地図と写真のある情報は、どんどん出すことにしました。 見にいかれる方に:修正・追加情報等ございましたら、ご教示ください。
 ● 私の昔の調査+滝人間並木健祐氏の調査+先日、私が行ってきた交通情報
●水系名 夷隅川水系平沢川 ●立地沢名 内梨沢

 国土地理院 2.5万地形図 坂畑より作図

●所在地:大多喜町平沢
  水平距離では、弓木の方が近い。
 図の弓木の交差点は、千葉県のここ  です。

●滝の位置説明
図の平沢から南東流するのが内梨沢。

内梨沢上流の 1〜4が、有池娜思(うちなし)滝の一〜四の滝
内梨沢下流は、連続型川廻しになっていて(図の緑色がフルカワ)、1.5〜2.0mぐらいの小滝が3つある。・・図の赤点。

 最下流の道路わきの滝は、なかなか美形です。
●ルート
 平沢〜弓木間の道から、図の茶色の農道が川を橋で渡っていますので、それを利用して道の終点から、200mぐらい河原を遡行すれば一の滝下につきます。一の滝は簡単に登れます。ニの滝は、少々濡れるかな。三の滝は、滝壷が深くて取り付くのがどうかな。四の滝は簡単そうですね。

内梨沢による、弓木川の争奪。
 誰も知らないでしょうけど、図の弓木川(西畑川本流の上流部)は、以前は、内梨沢に沿って川があって水源は、野々塚山(268m)にまで達していました。それを、内梨沢が、2番目の小滝のへん(の上空)の地点で、河川争奪して、流域を奪い、水量が増えたので、大きな峡谷を作っています。その峡谷の底に、滝があり、 有池娜思滝の一〜四の滝という瀑布帯になっています。・・・・というわけで、成因的には、河川争奪の滝ということになります。
・・・・より山側の西畑川本流(弓木川)が、より海側の西畑川支流(平沢川)に争奪されて、争奪で拡大した川が内梨沢ということでもある。同一水系内で河川争奪が起こる時は、海側の川(下流側・河床の高さが低い側)が、山側の川(上流側・河床の高さが高い側)を争奪することが多いということでしょうね。
有池娜思(うちなし)滝の瀑布帯 

小さな滝が4つある瀑布帯。比高15mの遷急点をなす。
地層は上総層群黄和田層 泥勝ち砂泥互層。一、ニの滝はほぼ水平な逆層。三、四の滝はほぼ水平な順層

● 発見史
 稿本千葉県誌にこの滝について『西畑村大字平字澤の有池娜思(内梨)谷に在り、此の地は幽谷にして左右の斷岩削るが如し。瀑布三あり、一瀧は高さ一丈五尺、二瀧は高さ一丈、三瀧は高さ一丈六尺にして共に濶さ五尺許あり、下流は夷隅川の支流に入る。』とあります。
 この文だと、滝が3つあって、下から一、ニ、三の滝というとのことですが、1993年、並木健祐氏が三の滝の上を登ってみたら、4つ目の滝があって、全部で4つの滝があることが分かりました。
 同時に、下流の小滝3つも調査されています。
  なお、この滝には大蛇伝説があり、結構有名な話ですので房総の民話等を調べてみてください。


● この滝どこがおもしろいか

滝自体は、小さくてあんまり迫力がないですね。写真写りはえらく良い滝ですが。
夷隅川の支流、平沢川を、内梨沢が河川争奪して、遷急点を作りほんとに垂直の谷壁の峽谷を作っています。
河川争奪による滝というのは、どれも、滝のできはじめたスタート地点が地形的にどこと分かるので、滝の変化を考えるときにいい考えの材料になります。そのうえ、この瀑布帯(遷急点)は争奪地点からかなり動いていて、変化の進んだ遷急点なわけです。
意外とないんですよねこういゆうのが。
あと、滝の規模は小さいけど、滝面の形と地層の岩質との関係がはっきりしていて、面白そうですね。

 
 内梨沢、道路沿いの小滝

 平沢〜弓木間の道のすぐ下にある。

 落差 2m

 1993年 並木健祐氏調査

 19990407 木平 勉氏撮影

 美形ですね。
 有池娜思滝一の滝
 
 行き方: 20年前は、内梨沢ぞいの水田が耕作されていて、滝のすぐ近くまで農道を歩いていけば簡単に行けたのですが、その後草ぼうぼうになって道形すらなく、滝までたどりつくのは大変という話でした。
 ところが、先日、2003年3月行ってみたところ、道はすっかりきれいに刈り払われていて、超簡単でした。
 
●落差 2.5m 
●流域面積 1.611ku
●緯度経度〔日本座標〕
北緯35゜11′42″ 東経140゜13′31″
1979年滝おやじ撮影。
有池娜思滝ニの滝

落差 3m
1979年滝おやじ撮影。
有池娜思滝三の滝

落差 2.5m
1979年滝おやじ撮影。
有池娜思滝四の滝

2段2m

1993年 並木健祐氏調査

1999年 木平 勉氏撮影
当然のことですが、自分でほっつき歩ける方を対象と考えています。地図上の位置は正確を期していますが、そこに行くルートについては、各自地元の人に聞くなりして、発見してください。勿論、安全は保障しません。崖から落ちたり、マムシに食われたり、ヒルにやられても、それは、見に行った方の自己責任ですのでよろしく。常に、ロープぐらいは持っていったほうがいいと思います。また、滝の位置情報がずれていることは当然ありえます。私が行ってない滝が大半だし、行ってたって、少なくとも私の場合、滝の場所が地図の位置と違っている可能性は常にあります。違っていたら教えて下さい。 
 というわけですが、大抵はそんなに危険じゃないです。むしろ、マムシとスズメバチに注意。
●その他 探訪日1979   作成日20030321

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