千葉県の地形 新情報 その28      (滝の新情報へもどる)       

● 銚子犬吠埼・長崎鼻方面より愛宕山を望むの図 
 地形の講座で必要になったので、簡易鳥瞰図の作例として作りました。「以前は地形図の加工をすべて手作業でやるしかなかったので、とても大変だったが、最近は、縮小拡大できるコピー機があるので簡単にできるようになったよ。」 というコンセプトで作ったものです。
 銚子半島の地形を、地形の成り立ち別に示すという主題で、方法は、地図を変形しない簡易等高線ずらし法で立体化し、その後奥行き方向を1/4に圧縮しました。 過高率を大きくしてある(最高点がたったの74mです)ので、亀の甲のような愛宕山が雲仙岳のように聳えていますが、まあご愛嬌ですね。 愛宕山上部に当たる標高40m以上について、等高線ずらしの量を小さくする手もあったかも
あと、HPにアップするので、原図を縮めたら、長崎鼻〜千騎ケ岩の岩礁は、中生層の紫色なのですが、縮んで見えなくなってしまいました。 心の目でお願いいたします。 
<全景>
   凡例
 
<凡例解説>
 1.愛宕山の上部
下末吉海進時(12.3万年前)の時の島が山になった所。 亀の甲羅みたいな山ですが、下部との間には、明瞭な傾斜変換線があり、斜面が急になっています。地層は中生代ジュラ紀の愛宕山層群。 大きな岩礁の犬岩、千騎岩も同じ地層なので塗ってあります

 2.愛宕山の下部
下末吉〜三崎面期(12.3万〜6万年)の海面の海退期に陸化した所。海が下がって行った跡なので、波食されてなだらかな地形。複数の地形面や小崖の入り組んだ地形ですが、ひとまとめにしました。1,2はともに表面が関東ローム層で覆われています。

 3.海岸段丘面
三崎面期の波食面が陸化した段丘面。平らな地形。関東ローム層、段丘礫層、香取層の順に地層がある。

 4.海食崖(中生層)
縄文海進〜現在(5000年〜)にかけて、段丘面の周囲を削っている海食崖。
白亜紀の犬吠砂岩等の中生層(やや硬い)が出ている部分。 現成の崖のみだが、急ですね。 なお、海岸線の凹凸は地層としてはみんな中生層で同じですので、中生層の中での岩質の硬軟が効いていると思うのです。 凸の岬になっている犬吠埼なんかは節理の少ない砂岩層だけど、その脇の凹の海岸になっている酉明浦なんかは砂泥互層という岩相の差もありそうですし、また、どうも犬吠埼と長崎鼻の所は向斜軸になっているみたいとの話もあります。というわけで、今のところはいろいろあって、凸になっている所が何故なのかは? ・・・分かりません。(+_+)

 5.海食崖(名洗層)
縄文海進〜現在(5000年〜)にかけて、段丘面の周囲を削っている海食崖。
名洗層、その上の香取層など(硬くない)の部分。 現成の崖は垂直。化石の崖は緩くなってますね。背後の沖積面の周りの崖も陸化した海食崖なことに注意。

 6.古銅輝石安山岩の岩礁
古銅輝石安山岩(えらく硬い)の岩礁。他の岩礁より出っ張っている。

 7.砂堆・砂丘・砂浜
5000年以降〜現在に形成。一部は海岸段丘面上に這い上がっている。

 8.沖積面
図の奥の面は、右手の銚子市街方面から入っていた縄文海進時の入海の跡。

 9.用水池・採石場跡の池
せき止めの池。採石場の跡地が池になっているもの。

 10.採石場の崖 
愛宕山の2つだけ表現。

 11.埋立地

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