●富津市 間滝の瀑布帯の全貌が明らかになる● |
この情報、やや旧聞に属しますが、記録のために書いておきます。 湊川水系の間滝といえば、観光地の鹿野山マザー牧場の直下にあり、君津郡誌にものせられている滝ですが、道はなく、沢はドロドロで行った人は多くありませんでした。いわゆる秘瀑の一つです。さらに、下から上がってくると、写真のような変わった滝面の滝10mがあって、地質は上総層群粟倉層の軟らかい泥岩層で垂直のゴルジュになり、とても登れるものじゃありません。この滝の上にさらにありそうなんだが全貌が見える所が無く、誰にも分かりませんでした。 <従来知られていた間滝 10m> 変わった滝面の滝で、面滝複合型・隠れ溝型・2段直下型ですね。 |
富津市在住で市内の滝をしらみ潰しに歩いている、滝愛好家、菅原譲太郎氏が1998年に、富津市役所の職員と協力して、長いハシゴを懸けてこの滝を登り滝上に出てみると、5〜6mの向こうに6.5mの滝を発見しました。千葉県で滝が新発見されたといっていい唯一の例かも。 この滝の上流にはもう滝はなく、間滝の瀑布帯は 10mの本滝(従来の間滝)、6.5mの上滝(新発見の滝)の2つの滝からなることが判明しました。 <上滝 6.5m> こちらは、線滝・直線溝型・2段直下型の普通の形の滝面ですね。 |
写真は共に、菅原譲太郎氏撮影・提供 |
間滝のある恩田川の谷底にそって、稜線(鹿野山の続き)までをとった、河床縦断面です。 恩田川は、湊川の支流で、出会いに懸谷の滝の堂滝があります。 比高20m弱の遷急点が、あり、間滝の瀑布帯になっていることがわかります。 なお、遷急点より上流が勾配急になっていますが、遷急点より上流は、市宿砂層という未固結な砂で涸れ谷になるためです。遷急点の少し上流で、湧水が始まって、常時水流となり、そこから下流は粟倉層等の泥質層となり遷急点を除くと緩い勾配になります。 |
作図 吉村光敏 |