●新情報 配布情報 「村の滝 千葉県安房郡三芳村に所在する滝(54滝)」 
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 三芳村在住の滝人間 川崎 一(はじめ)氏が、地元三芳村の滝を調査した結果を紹介する展覧会をひらきました。 展覧会の際に、作成した資料冊子を、配布しておりますので、紹介します。

 一言で言えば、力作です。三芳村の滝54について、滝の高さや断面がすべて記録されています。これは、かの名作「広島県の滝」以来ですね。
 滝の名称や高さについても、ご指摘を受けていますので、わたくしのHPでも訂正しようと思っております。

 川崎さんの自家作成ですので、お願いして、お求めください。 実費です。 滝おやじ 記す
 こんな本です。チラッと見ると・・



 表紙とCD−R 本はモノクロ。CD−Rはカラー。





 左が、位置図。

 右が、この本の特徴、滝ごとの断面図+伝承や滝名の考察

 「村の滝」序文 全文 :こうゆう内容だと分かるので、川崎氏の文章を、全文掲載。
序  文

 三芳村に所在する滝は現在も調査中で全部は紹介できませんが、本書では、雨が降らないと、ちょろちょろの※「滝もどき」を含め、約50滝を紹介します。

 従来、私が滝の観賞や写真撮影にかかわったのは、山が好きで山行きの一環としていたにすぎなかった。
 増間の滝に関して、山の先輩である勝浦市在住の鶴谷j躬氏から借りたノート(「南房総の伝説や名所」を整理)の中に過去に房日新聞?に掲載されたと思われる坊滝の項目があり、その中の増間七滝の紹介した記述文中に「冷水の滝」という滝名がありましたが、その時は気にも留めていませんでした。

 本格的に滝にこだわりだしたのは、房総滝人間のSさんから平成12年7月頃であったかと思いますが、増間七滝は六つしか無いと役場に問い合わせがあり、私のところ電話を廻ってきたことから始まりました。

村が平成2年3月発行「ふるさと探訪三芳村」の編集に私がかかわり、増間の滝について担当したことなどから、増間の滝のことについては多少知っているということで廻してきたと思う。
 私の増間関係の情報源は、元安房水産高校事務長の故安田高次氏から得たものであります。安田氏は民族研究、特に房州のことに詳しく「増間の御的神事」などの研究があり、増間の昔ばなしや漢詩等多くの資料を残している増間出身の郷土史研究家で信頼できる方であります。

 その当時、私は三芳村に所在する滝は増間の七滝の一部と澤山の不動滝しか知りませんでした。
 安田高次氏の資料や話から増間の七滝については、「ふるさと探訪三芳村」に、坊滝を25mと紹介した次第です。
 この坊滝の高さは千葉県中央博物館のホームページや新聞記事では、いずれも33mとなっています。

 村が25mと紹介したのは、増間の郷土研究資料昭和37年5月発行「増間の話」(故石野吉雄、故川名徳治、故安田高次の3氏編集)の、大日山と閻魔寺の遺跡についての記述の中に「大日山を越えて北側へと抜け谷へ下ると増間川の最上流へ出る。此処に高さ約二十五メートルの滝があり、坊滝と呼ばれている。その滝の上に手洗石と呼ばれる岩石があるが、この滝は恐らく閻魔寺の坊さんの修行した滝であり、その名を坊滝と称したものと思われる。」この文中の「二十五メートル」を引用したものです。

 私が計測したところでは、向って右の流れの上の落ち口から計って23mで、ほぼ一致しました。増間関係者の話では、坊滝は、土砂崩れにより相当埋まったという話もありますが、すぐ下流の谷止工の高さ等から見ると、約25mであったと判断されます。33m(拾丈)の高さは古老等から聞いた数字のようで実際に測った高さではないようです。 
 「ふるさと探訪三芳村」では、増間七滝については、前蔵引の滝、後蔵引の滝、薬研の滝、狩人の滝、乙女の滝、乙坊の滝、坊滝の七つの滝として紹介してあります。 狩人の滝は乙女の滝に続いてすぐ下の滝で1.5m程の高さであると、この郷土史研究家の故安田高次さんから聞いたものです。
 
一方、千葉県中央博物館のホームページの特集ページ千葉県の滝では増間の七滝は六つしか紹介しておりません。  その六つとは、増間川右股の瀑布帯に坊滝、乙女滝、かろうど滝、薬研の滝 、左股の瀑布帯に前惣引の滝、後惣引の滝であり、村の紹介した七滝とは相違があります。

同ホームページの写真と比較しますと「乙女の滝」は三芳村では「乙坊の滝」と呼び、「かろうど滝」は三芳村では上の部分を「乙女の滝」、下の部分を「狩人の滝」と呼んでいます。       
 このようなこと相違点等を解明するため、平成12年10月、房総滝人間連主催により増間七滝整備のつどいがありまして、私にも参加依頼がありました。
 当日は大雨の為、区長さんと区長代理さんは現地には参加しませんでしたが、私を含め総勢10名程参加して調査を実施しました。大雨のなか滝掃除などを実施しましたが、沢の水が増水してこれ以上いると危険ということで引き上げ、沢山の棒滝見物に日程変更したことを覚えています。 大きな滝は発見されずじまいでしたが、七滝はどこの地へ行っても七滝の呼称がありますが、いわゆるゴロ合わせにすぎないと思います。
 三芳村では故安田氏の説により七滝を紹介すると共に、現地の看板もそのように作成いたしました。

 千葉県中央博物館に勤務し、地学研究の専門家で滝に詳しい吉村光敏氏の個人サイトに掲載の「●滝の単位」に「段のある滝と2つの滝」の判別の記述がありますが、これから判断しますと下滝の部分は(高さ1.5m)、滝には違いありませんので上の滝と下の滝を分けて2つの滝になるかと思います。
(10頁資料参照) 
 従いまして異論もあろうかと思いますが、現在、滝関係者の中においても乙坊の滝(同サイトでは乙女の滝)の名称で定着していることから、現在の地元の名称に合わせて、かろうど滝を乙女の滝とし、下の滝を狩人の滝に修正をしていただきたく念願してやみません。

 この現地調査を機会に房総滝人間の皆さんと知り合いになり、又、私の持ち前の探究心から冒頭に記載した「冷水の滝」はどこにあるのか調べようと、休日には滝の調査に没頭し、いつの間にか50滝を超えてしまったという次第です。
 冷水の滝は、古老は既に他界しており、現在の人に聞いてもわからず困っていたところ、房総滝人間の皆さんと滝めぐりの機会がありました。 その時に「冷水」の話しをしたところ、赤羽忠雄氏から、後日資料や写真が送られてきました。これによりNO11の滝が冷水の滝と判明した次第です。
本資料は、永い間勤務した三芳村役場を退職する記念に、村の滝と称し、三芳村に所在の滝を市町村合併の前に皆さんに紹介すると共に、関係機関等に配布いたします。
皆さんの参考になれば幸いです。
 なお、私は、地形地質や滝については、ずぶの素人でございますので間違いがあったらご意見をお願いしたいと思います。
 無名の滝と紹介した滝や仮称○○沢等も名前がわかりましたら、ご一報をお願い致します。
 なお、本書編集にあたり滝の大先輩である赤羽忠雄氏、吉村光敏氏及び木平勉氏には参考資料の提供や、ご助言いただき厚くお礼申し上げます。
本書では、約50滝を紹介しましたが、その他にも滝がありますので今後追補していきたいと思います。

                     平成16年4月吉日 
〒294-0823千葉県安房郡三芳村府中658番地の1
п彦AX 0470-36-3026         
E-mail maruyahk@green.ocn.ne.jp
※本資料は無断で転載や利用禁止します。   川 崎  一 

          参考資料
千葉県中央博物館のサイトURL http//www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/indexhtml
吉村光敏氏の個人サイトURL
http//www33.ocn.ne.jp/~takisekibututiba/tibataki/  
  勝浦市在住の鶴谷j躬氏から借りたノート 南房総の伝説や名所を整理(房日新聞記事?の写し)
 佐藤さんという方の父親が整理していたものをいただいたということです。 
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 1セット:(村の滝冊子 1冊+CDR 1枚) 送料込みで 1500円
 CDRのみ   送料込みで 1000円

 上の川崎さんの連絡先に メールで申し込んでください。
 <お詫び>
 5/30 川崎さんのメールアドレスが違っていましたので、訂正いたします。
 maruyahki@ →maruyahk@ です。失礼いたしました。

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