『カシミール3Dの高密メッシュ標高セット』 について   HPトップに戻る 新情報表紙に戻る
カシミールを愛用されている方は多いと思います。
私もそうなんですが、いままで、展望図はともかく、中地形・微地形の鳥瞰図になると、表現甘くて使えないというのが実感でした。
その原因は、標高データが50mメッシュという粗い精度のものだったというのが理由なのですが、今回、精度の良い10mメッシュの標高データが提供されました。
だいぶ改善され、使い勝手が増したと思います。 その辺りの、試用感想です。
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 2005/07/12 カシミールで使える、10mメッシュの標高データが、公開されました。1260円で安い。
http://www.kashmir3d.com/online/highreso/
 従来、火山を除くと、日本全国は、50mメッシュの標高データが使えるのみでした。日本の一部のみですが、奥多摩や丹沢など、私の使う所があるのが嬉しいですね。
 「カシミールってなんだ?」 という方はこちら。⇒ http://www.kashmir3d.com/
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机上で、中地形〜微地形を観察するときに、現在使える資料は、等高線地図(全国的には2.5万地形図)と空中写真です。

等高線地図(数値地図地図画像という形で提供されています)との、対応との観点で、感想を述べてみます。
  <山の地形表現がより自然になった>  以下の画像は、カシミール3D のカシバードにより、解説書2.5万データを処理

東京都の五日市付近です。 
画像の中央から左が10mメッシュの地域。
右が50mメッシュの地域です。

一見して、左側の10mメッシュの方が、谷ひだをよく表現しているのがわかります。

当然といえば当然か。
 <鳥瞰図を作った時、2.5万地形図の等高線と、標高データが一致してきた>

下の画像と比べてください。

東京都桧原村の千足沢の鳥瞰図。

上の画像は、50mメッシュ標高データによる画像です。

この画像で、注目してほしいのは、山の斜面の等高線が垂れ下がっているのが目立ちますよね。・・・・千足沢の斜面で明瞭。

これは、等高線の示す本当の地形とは違って、低くなっていることを示すわけです。
 今までの、50mメッシュの高度データでは、この程度の小さな地形になると、地形図の等高線の精度についていけず、違った地形になっていたということです。
 
 この辺がどう変わったのでしょうか。
 ↓
 下の画像を見てください。

10mメッシュ標高データで作った、同じ、千束沢の鳥瞰図です。
上の50mメッシュの画像と比べてください。

 山ひだの表現がぜんぜん違いますけど、それは、当然ですね。

 注目してほしいのは、この、10mメッシュの画像ですと、等高線が大部分、平行に見えるようになって、垂れ下がっているところがほとんどないことです。地形と等高線が違和感がありません。
 つまり、標高データによる地形が、地形図の等高線の精度にあっているということになります。


---ちなみに、
赤点が滝です。
 下の点が比高9mの4連の連瀑帯。上の4点が、天狗滝の連瀑帯(比高38m) です。⇒解説はこちら
  <鳥瞰図を作ったとき、その2 ・・・同じ千足沢上流の斜面地形表現>
上の鳥瞰図は、視点高度が低かったので、普通の鳥瞰図のように見下ろす形の画像を作ってみました。
左が、50mメッシュ標高データの画像、右が10mメッシュの画像です。
等高線と標高データによる地形立体表現との対応、右の画像のほうがいいですね。等高線と立体地形が良く合っています。
これだけ合っててくれれば、 今まででは、精度が荒くてやる気にならなかった、地形と地質の関連などを、立体的に見るのに利用できるようになったといえます。
 また、地すべり地形なんかは、ぱっと見て認識できるようになると思う。

ただ、河岸段丘は相変わらず苦手のようです。この図でも、本流沿いの段丘面と、千足沢沿いの土石流扇状地は、山側も川側も傾斜変換線がよく出ていない。
空中写真でやるべきことですからいいけどね。
 
 <地質図との対応を見てみました。・・・立体化すると見えてくることがあります>

上の画像の所で、地質境界線(赤線)を入れてみました。

地質図は、東京都(2003)。
地形図は、国土地理院2.5万五日市より作成。

 チャートは緻密で固く、侵食に強く。砂岩層は、割れ目がたくさん入っていて砕けやすく、侵食に弱い。

現地での観察。
砂岩層の部分には、より平滑な、露岩の少ない斜面、あるいは、遷急点間の平滑な河床断面区間が見られる。
 チャート層の部分には、ツヅラ岩、高黒岩などの岩峰や露岩の斜面、あるいは、天狗滝などの千足沢の遷急点などの地形が見られる。
 でも、立体化してみると、見落としていました。
 砂岩層の部分では谷が発達するのに対して、チャートの部分では谷の発達が悪いですね。歩いていると、地形図上では小さな谷といえど、人間にはでかくて、かえってわかりません。

地質図を、標高データと結合して眺めれば、色々見えることありそうです。
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ちなみに、赤丸は綾滝の位置。この滝は、両岸チャートの所にあり、滝のすぐ下流は、右岸がチャート、左岸が砂岩になっています。下流から、硬いチャートをよけて、弱い砂岩を掘って楽に下刻し、滝を後退させてきたが、両岸チャートの所になって、滝が後退できず、止まっていると解釈されます。
 <道路の表現もだいぶ不自然でなくなった>

 等高線と地形の整合性が良くなったように、
従来では波打ってしまってだめだった道路と地形との関係がよくなって、不自然さが少なくなっています。

あと、言い忘れてましたけど、川の表現も、凸凹しなくなって、山に這い上がったりしなくなって、良くなりました。
 現実は、画像より、もっと深くえぐれてますけど。
以上、なかなか使えそうです。10mメッシュの範囲が、さらに広がっていくことを期待。
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